【レポート】星出宇宙飛行士打上げ前の国内記者会見

4月25日に星出宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在前の記者会見が開催されました。
星出宇宙飛行士搭乗予定のソユーズ宇宙船(31S/TMA-05M)は、7月15日に打ち上げられる予定です。
星出宇宙飛行士は今週末まで日本滞在となりますが、アメリカのフロリダ、ヨーロッパで最終的な訓練やミーティングを行う予定です。
その後、ロシアに向かい、打上げ前の調整に入ります。
国内での、長期滞在前の記者会見は最後となります。

星出宇宙飛行士とこうのとり
撮影NVS: 星出宇宙飛行士と「こうのとり」



星出宇宙飛行士は7月15日から11月12日までの約4ヶ月間
長期滞在を行う予定ですが、滞在中の大きなイベントをピックアップしますと

・7月21日打ち上げ予定の宇宙ステーション輸送機「こうのとり」3号
 を日本人宇宙飛行士として、初めて迎える。

  星出宇宙飛行士は、「こうのとり」1号機の運用にも大きく関わっており
  「こうのとり」を把持する所を楽しみにしたいところ。
  実際に軌道上で中に入る日本人宇宙飛行士も初めてとなりますので
  星出宇宙飛行士の「こうのとり」の中のレポートなどがあると嬉しいですね。

・小型衛星放出技術実証ミッション
 「こうのとり」3号機にはキューブサットクラス(10cm角)の衛星を
 宇宙ステーションから放出する機械「小型衛星放出機構」が搭載されます。
 この小型衛星を宇宙ステーションから放出するオペレーションも星出宇宙飛行士が行う予定です。
 この機構の様子は動画でまとめてあります。


・船外活動(EVA)予定 
 8月後半以降にEVAを行う予定があります。
 内容は、ISSのトラスにあるMBSU(メインバススイッチユニット)
 の交換修理となります。
 これは基幹電力系統を切り替える為の装置なのですが、
 その内の一つが通信に関して不調のため、交換する事になります。

 ISSの完成後、EVAの頻度は減っておりますので、貴重な機会となります。

・ドラゴン宇宙船、シグナス実証機の受け入れ
 開発、運用状況にもよりますが、星出宇宙飛行士が滞在中に
 民間宇宙船、輸送機となるドラゴン運用1号機、シグナス実証機
 が到着する予定があります。
 ISSに様々なタイプの宇宙機がやってくる時代を迎えつつありますが
 「こうのとり」の受け入れを含めて、その兆しを感じる長期滞在になるでしょう。

などがあります。

会見の模様は
ニコニコ動画のタイムシフトで5月2日まで視聴が可能です。(要:プレミアム会員)



また、USTREAMの録画でも視聴可能です。

Video streaming by Ustream
(NVS関東 きみ@Lica

【レポート】「きぼう」日本実験棟における文化・人文社会科学パイロットミッション(第2期)活動報告会 レポート

日本と宇宙開発と文化芸術活動というのは、実はなじみ深いのかもしれないです。

日本初の宇宙飛行士はTV局のレポート企画として宇宙に行っています。
宇宙に向かうための訓練のレポートから始まり、軌道に上がってからは
宇宙からの光景、体の変化、簡単な実験など行い伝え、地上にいる人に感動や共感を与えていました。
いまでは、宇宙ステーションに日本のモジュール「きぼう」ができ、定期的に日本人が長期滞在するようになりましたが、物理や現象の面白さを伝えてる活動は多いと思います。

1950年代から宇宙開発が行われていますが、有人活動のステップとして
・宇宙に人はいけるのか
・生存できるのか
・短期生活できるのか
・長期生活できるのか
と徐々に活動範囲が進んできていますが、今後
・宇宙無重力環境で芸術文化活動はできるのか。
・社会は作れるのか
と進んでいくのでしょう。

国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟では、芸術表現の場としても使われております。
この宇宙ステーションで芸術活動を試みるというのは、日本独自の取り組みとなっており
世界的にも、かなり珍しい活動のようです。

今回は、2011年に行った活動3テーマについて報告がありました。

1.宇宙で抹茶を点てる
河口 洋一郎提案者の河口洋一郎教授(東京大学)
まず、宇宙ステーション上で抹茶を点てるまでの準備が大変だったようです。
すべての道具で2Kgと制限されており、
無重力で粉末を飛散させるわけにはいかないので、ペーストのカプセル状にしたり
同じく水やお湯も飛散させてはいけないので、密閉型の容器を準備しています。

古川宇宙飛行士が、実際にお茶を点てました。

抹茶きぼう実験棟で瓶状に茶筅をいれかき混ぜているところ

宇宙では泡立てを行うと、泡のサイズがかなり大きくなる傾向があるようです。
実際に用意した道具で安全にお茶を点てることは出来たのですが
衛生管理上の関係で一服することは出来なかったようです。
きぼう実験棟はISSでは騒音が少ないですし、無重力と精神を落ち着ける事に
親和性があると思いますので、次回は一献出来るところまで、宇宙茶道を進めて欲しいと思います。

2.「オーロラオーバル」と「発光する墨流し水球絵画」
逢坂 卓郎提案者の逢坂琢郎教授(筑波大学)

オーロラオーバル「オーロラオーバル」
傘のような形をしており、枝の部分に点滅するLEDが付いています。
バランスが良く、安定して回転する様になっていますが、重りを調整して
安定性を変えることが可能で、それが無重力状態で、複雑な動きを起こします。

スパイラルオーロラオーバルの写真
きぼう室内を消灯して、オーロラオーバルを回転させ
点滅する様子をロングシャッターで撮影すると、綺麗な光の模様となります。


墨流し「発光する墨流し水球絵画」
こちらは、無重力化で作った水球にウミホタルの発光体を
混ぜて、ブラックライトを当てたところになります。
水球内での光の反射などもあり、刻一刻と姿を変える光の珠が非常に綺麗でした。

どちらも綺麗な動画でもっと、広く公開して欲しいなと思える物です。

今回、観客の立場でオーロラオーバルの実験を行った若田宇宙飛行士が
来ており、無重力環境での人間の環境適応と合わせて
芸術活動の役割や変化について話されていました。
若田光一


日本独自という点もありますが、宇宙、無重力環境で
芸術や文化活動が徐々に進んでいるのは嬉しい事です。

芸術は、文化を豊かにしますが
社会全体の余力がある上でないと活発には成立しないと思えます。
宇宙環境という、コストがかかり辿り着くのが大変な環境でも
徐々に余裕が出来て、宇宙での芸術・文化的活動が進んでいくと
社会全体の文化も豊かに変化していく物だと思います。

ニコニコ動画のタイムシフトで20日まで視聴が可能です。(要:プレミアム会員)


(NVS関東 きみ@Lica

【レポート】「こうのとり」3号機(HTV3)の説明会

4月13日に「こうのとり」3号機(HTV3)の説明会が開催されました。
説明会の内容については、下記の録画映像か、今村さんのブログが詳しいのでご参照頂ければと思います。


USTREAM NVS-LIVE

個人的には、初号機、2号機に続き、
・この3号機から通信機器、スラスタ、メインエンジンの国産化を完了し量産型となる点
・NASA・JAXAの緊急輸送を担っている点
・再突入技術取得の為の送信機(REBR・i-BALL)を搭載し、再突入時にこうのとりが破壊する様子を秒間1コマ程度で撮影を予定している点
以上が非常に興味深い点でした。

ここでは、説明会後の追加取材で伺った内容をレポートいたします。

1)レイトロード(*1)による容量増加について
3号機で改善された直前の物資搭載能力ですが、
レイトアクセスによって与圧部内に貨物を搬入する(レイトロード)際、
はしごを下して搬入をするそうですが、これまで使用していたHRR(*2)では、
下段のラックがはしごと干渉する為、上段にしかアクセス出来なかったのを
下段ラックを変更することにより、下段にもはしごによるアクセスが可能になったため、
2号機と比較してレイトロード物資がCTB約30個から約80個に増加したとの事。
ただし、下段ラックの積載量は4つ分減少しているそうで、
ラック積載物資とレイトアクセス物資のどちらを重視するかによって
ミッションごとに構成を選択するとの事

レイトロードのイメージ
こうのとりレイトロードイメージ
※このイラストはイメージであり実際と異なります

*1 レイトロード
宇宙ステーション補給機がフェアリングに格納された後でフェアリングのアクセスハッチから貨物の搭載を行う事

*2 HRR
HTV補給ラック 8台

*3 CTB
物資輸送バック


2)緊急輸送による搭載貨物の変更について
積載量に限りがあるため、緊急輸送貨物とトレードオフで下した荷物(宇宙飛行士の着替え・予備機材など)はあるが、現状はとりあえず入替えた状態の為、打上げまでに、搭載荷物を再度変更する可能性があり、どの貨物を下したとはハッキリ言える状態では無いとの事。


3)H-2Bロケットの再開発アビオニクスの影響
ペイロード側ではロケット側の変更についてはまったく影響がないとの事。

(NVS関東 家猫)

【レポート】H-2Aロケット21号機、「しずく」(GCOM-W1)、小型副衛星の記者説明会

4月9日(月)に
H-2Aロケット21号機、「しずく」(GCOM-W1)、小型副衛星の記者説明会の模様を中継しました。

H-IIAロケット21号機の打ち上げの情報を簡単にまとめますと

打ち上げ日:
2011年5月18日(金) 午前1:39〜1:42

予備期間:
5月19日〜6月30日

ロケットのコンフィグレーション:
H-IIA 202型 4/4D-LCフェアリング
(デュアルロンチ用のフェアリングとなり、このタイプは12号機以来です。)

打ち上げ衛星:
・第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)【JAXA】
しずく(つくば公開時)
(つくば公開時 NVS撮影)

・韓国多目的実用衛星3号機(KOMPSAT-3)【韓国航空宇宙研究院】

(平成24年宇宙開発委員会(第10回)配布資料より
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/017/gijiroku/1316992.htm )


・小型実証衛星SDS-4 【JAXA】
SDS-4
(つくば公開時 NVS撮影)

・鳳龍弐号【九州工業大学】
 (衛星の写真がこちらで閲覧できます。)
 http://kitsat.ele.kyutech.ac.jp/photo_top.html


質問はH-IIAロケット、と韓国の衛星との兼ね合いに関して多くなりましたが
箇条書きで興味深いところをあげます。

・H-IIA高度化プログラムの一環として、今回2段目の液体酸素タンク部分
 に白色塗装を実施して、推進量蒸発低減効果のデータ取得。
 (フェアリングも16mと長いのでロケットの印象がより白く見えることでしょう)

・衛星を上部にKOMPAST-3、下部に「しずく」を格納した理由は
 「しずく」を上部に格納するとアンテナ部分がフェアリングに干渉するため、スペースの大きい下部への配置となった。
 また、下部のほうが振動条件が緩和され、稼動部の多い「しずく」にとってもやさしい。

・打ち上げ費用に関しては、商業部分があるため非公開
 延期にかかわる費用なども非公開となります。
(これは打ち上げを行う三菱重工にとっても、商業契約上はいたしかたないかと思います。
 デュアルロンチ、シングルロンチの商業実績ができて、ベースができれば
 価格公表のメリットが出ると思いますが、初案件ですし)

全容はこちらから、視聴が可能です。

4月16日までタイムシフト視聴が可能です(要プレミア会員)


■打ち上げの中継に関して
5月18日打ち上げに向けて、衛星の搭載準備が進んでいるようです!
今回、ロケット上部は今までより白くスリムに見えることでしょう。
また、夜間打ち上げとなりますので、美しい光景が期待できます。
NVSとしても、打上げ中継を行えるように動きたいので、ご期待ください
(NVS関東 きみ@Lica

NVSブログ開設しました

 この度、nvs-live.comのサーバ移転に伴い、コンテンツ強化の一環としてブログを導入いたしました。
これまで、生放送、ライブ中継以外でお伝えできていなかった事がお届けできればと思っております。
体制としては今まで同様ですので至らぬところが多々あるかとございますが、
今後ともご支援、ご声援の程、よろしくお願いいたします。

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