【放送予定】3月27日(日) 18:15〜 X 線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について
X線天文衛星 ASTRO-H「ひとみ」 筑波宇宙センター 報道公開にて (撮影:NVS)
2016年2月17日に打ち上げられた X 線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)は、3月26 日(土)の運用開始時(午後 4 時 40 分頃)に衛星からの電波を受信できず、その後も衛星の状態を確認できない状況が続いています。
現時点で、通信不良の原因は不明ですが、短時間ではあるものの衛星からの電波を受信でき、引き続き衛星の復旧を行っています。
会見の模様を中継いたします。
YouTubeで視聴する>https://www.youtube.com/watch?v=ebdLyU3KXyc
会見配付資料:
X線天文衛星「ひとみ」ASTRO-Hの通信異常について(2016年3月27日)
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所
■会見後の付属情報
3月27日〜28日
JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)が26日17:20(JST)にASTRO-Hの周辺5つの物体を確認。JSpOC ID’d 2 breakups: SL-12 R/B(33472) @~0145z, 27Mar–21 pieces. ASTRO H(41337) @~0820z, 26Mar–5 pieces. Events not related. @SpaceTrackOrg
― JSpOC (@JointSpaceOps) 2016年3月27日
[ファン!ファン!JAXA!] X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について(3月28日版) https://t.co/fdsCStAh2E
― JAXAウェブ (@JAXA_jp) 2016年3月28日
JAXAが3月28日11:00に、ステータスを更新しました。 以下引用です。
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/7243.html
国内外の地上局を用いて継続的に通信を試みておりますが、3月28日午前11時の時点までに衛星からの電波を受信できず、衛星の状態を確認できない状況が続いています。 3月28日午前11時の時点で、通信不良の原因は不明ですが、引き続き衛星の通信の復旧および原因調査について全社的に取り組んでおります。 なお、米国 JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター:Joint Space Operations Center)から、衛星が複数の物体に分かれている可能性があるとの情報が公表されておりますが、複数の物体を確認したとされる時刻以降に短時間ではあ るものの衛星からの電波を受信できたことから、機構において衛星の通信異常との因果関係について確認中です。
2016年3月28〜29日
28日11:00以降、JAXAからのステータス更新は発表されていません。(29日14:00現在)
Update: Analysis shows ASTRO H breakup occurred 26Mar @ 0142z
― JSpOC (@JointSpaceOps) 2016年3月28日
+/- 11mins. JSpOC confirmed breakup @ 0820z. @JAXA_en @SpaceTrackOrg
JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター)が分離物の軌道を計算し、26日10時42分ごろ(±11分)に分離が起こったと公表。 レーダーで分離を確認したのが17時20分ごろとなります。
各地で天文家による光学観測が行われ、変光していることが確認されています。衛星が安定な姿勢状態であれば、光量は安定しますが、意図しない回転をおこしていると、太陽光の反射面が変化して、光量が変化します。通信が途絶したX線天文衛星「ひとみ」。28日20時20分、詳細を確認するため500mmで拡大撮影。機体の破壊が心配されますが、8等級までの破片は確認できず。小刻みな変光が見て取れ、姿勢を崩して複雑にスピンしていることが考えられます。 pic.twitter.com/XpOuvD2JHD
― 三島和久・アニリン・レモンパスタ部 (@C6H5NH2) 2016年3月28日
27日の会見にて、トラブル後に取得できた通信での少ない情報では、「ひとみ」ASTRO-Hの姿勢に変化が出ており、セーフホールドモードに入れているかは確認できていないと報告されています。
※セーフホールドモード:安全な待機モード ひとみは、姿勢を常に地球を向け、観測装置の電源を切り、節電モードで待機する。センサーの冷凍機は稼働)
29日19:00のプレスリリースより引用
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/7243.html
3月28日(月)以降、これまでに衛星からの電波を2回の通信機会で受信いたしました。一回目の受信は、内之浦宇宙空間観測所にて、3月28日(月)22時頃、二回目はサンチャゴ局にて3月29日(火)0時半頃です。いずれも極めて短い時間の受信であり、衛星の状態は確認できておりません。
一方、米国JSpOC(国防総省戦略軍統合宇宙運用センター;JointSpaceOperationsCenter)から3月26日(土)10時42分頃に衛星が5つの物体に分かれたものと推定しているとの情報が公表されております。これについて、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)として事実関係を確認するため、(一財)日本宇宙フォーラム所有の上齋原スペースガードセンター(KSGC)のレーダおよび美星スペースガードセンター(BSGC)の望遠鏡による観測を行っております。これまでのところ、BSGCにおいて当初の「ひとみ」の軌道近傍に2つの物体を確認し、KSGCでもそのうちの1つの物体を確認しております。
なお、上記サンチャゴ局で受信できた電波は、KSGCで観測した物体の軌道方向からのものであることを確認しています。
JAXAとしては、JSpOCが公表している情報および今回の通信異常との関係について引き続き確認中です。
現在も対策チームは、「ひとみ」ASTRO-Hと通信復旧を行っています。
復旧にまず必要なのは
・衛星からの情報取得。
・地上からのコマンド送信成功。
・姿勢を安定。
・安定した太陽光発電。
です。
状態安定を願います。(29日14:00追記)
■「ひとみ」(ASTRO-H)衛星に関する技術情報
X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H) プレスキット
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/astro_h/files/astro_h_presskit.pdf
■報道公開時のASTRO-Hの画像((c)nvs-live.comと表記下さればご自由に転載可能です)(3/29追記)
https://www.flickr.com/photos/nvslive/albums/72157661710347836
■報道公開時のASTRO-Hの180度イメージ(3/29追記)
https://photosynth.net/preview/view/75934327-3170-469e-8c75-655240f09204
astro-h by nvs-live on photosynth
- 2016.03.29 Tuesday
- 放送予定 Live slated
- 14:47
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- by nvslive