【放送予定】8月21日(水)13:00〜 JAXA 低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)の状況説明会

画像: 実験前国内で公開されたD-SEND#2の実機  撮影:NVS

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成 25 年 8月16日にスウェーデンエスレンジ実験場にて
低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト(D-SEND プロジェクト)第 2 フェーズ試験(D-SEND#2)の1回目試験をおこないました。
その際、超音速試験機が想定経路から外れて飛行した状況がありました。
その状況に関しての説明会中継します。

※補足 D-SEND#2は、2機の試験機で計2回実験を行う予定だった。

開催日時 平成25年8月21日(水) 午前13時〜

開催場所 JAXA東京事務所

USTREAMで視聴する≫ http://www.ustream.tv/recorded/37591401
ニコニコ生放送で視聴する≫ http://live.nicovideo.jp/watch/lv149575651



会見時の資料はJAXAでPDF公開されていますので、こちらを参照ください。
JAXA低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)延期について

■会見後

状況説明を行う 吉田憲司プロジェクトマネージャ

飛行状態を模型を交えて説明する、吉田憲司プロジェクトマネージャ


・超音速実験機の気球からの分離後はしばらく正常であった。
分離後40秒後に機体姿勢のロール運動の振動が発生しはじめ(高度約22kmマッハ約1.3)
分離後62秒後に制御不能状態(姿勢を大きく乱した状態)となった。(高度約14km、マッハ1.6)
約170秒後に高度が下がったが、姿勢が回復して、計測点に向かって滑空
約181秒後、無線にて投棄コマンドを送信(高度3.5km)

・原因分析は、FTA(FaultTreeAnalysis 故障の木分析)でおこなう
「分離約40秒後に機体姿勢(ロール運動)の振動が増幅」を頂上事象とし、ハードウェア、ソフトウェアの両面から、原因を調査。
得られたテレメトリデータや機体の状況等から、現時点では飛行中の機体構造の破損及び搭載機器の故障の可能性は低く分析中。

・機体は回収をおこない、現地の放球をした地点まで輸送済(日本へは戻さず、現地保管を依頼中)

■質疑応答部分の内容
・ロール運動の始まった原因とロール制御の仕組みについて
→ロールが出たら戻す方向に舵をきる動きを行う。
 今回の機体は、主翼エルロン(主翼に付く舵の切れる補助翼)がない機体で
 水平尾翼2、垂直尾翼1の3舵で制御出来る様に設計してある。
 シミュレーションでさまざまな状況を検討しているが、コントロールできることを確認している。

・工場から現地までの輸送などで、制御系の不具合などは
→輸送時から制御系のある本体は分解しておらず、主翼だけははずしているが、主翼に可動部はない。

・ロール発生以外の原因はわかるか
→そこが、本当に分かっていない。
 FTA分析(故障の木分析)を行い始めているが、まだすべての状況を潰し切れていない。

・改修した機体から、飛行中の制御を推定出来る状態か。
→亜音速の状態から落下をさせたので
 機体構造は超音速からの落下の想定よりは残っているが、制御系の不具合が分かるほどではないかと考えている。

・投棄コマンドを送った理由
→投棄は電波を送って行うが、高度が下がり、電波の届く範囲を超える前にコマンドを送った。

・制御系が正常動作していたが、想定以上のロールが発生した理由
→40秒まではロールを抑えているのを確認しているが、40秒後以後ロール振幅が大きく発生しているのは、今日時点でまだわかっていない。分析では、パラメータを大きく振って調べていくしかない。
 (超音速機など)細長い機体はロールに対して、安定性が元々弱い部分があるが、そこを考えて設計はしてあった。

・制御を途中で人で管理することはできたか。
→実験中はオートメーションで制御となる。
 異常確認してから、コマンドを打つのでは対応が間に合わないと考えられる。

・試験機体側で電波受信以外でデータログなどは記録していたか。(NVS)
→データレコーダは積んでいない。
 電波でテレメトリデータ受信を常に出すする仕組みとなっており、それは全て取れている。

・2機目は状況分析をして、同じ事が起きない改修をしてから、実験する方針か。(NVS)
→そのとおり。原因対策をしておこなう。

・今の状況で2機目を実験したら、同じようになりかねるか?(NVS)
→現時点ではわからない。
 突風や、あり得ないが鳥などにぶつかったと言う理由(外的要因)なら、起きないと言えるかも知れないが、外的要因でなければ、理由がシステムなのか、設計なのかを分析して、手当が必要なのだと思う。

・投棄コマンドが遅くなったのは、高度がさがったためか。
→投棄コマンドは実験区域を出ない安全のため。
 姿勢を乱した後、高度が下がる間、機体は姿勢制御しよう戦いながら動いていた。
 高度が下がった段階で、姿勢制御が回復して滑空をしたので、その場合遠くまで飛ぶ。
 電波が届かなくなる前に安全のために、投棄コマンドを出した。

・試験を延期するが、原因究明と再実験の目処
→今は原因究明を早く特定したい。
 日本に対策チーム、現地にJAXAとメーカの40名とメーカー宇都宮の3地点で分析中。
 来週から現地から戻ってきて、2地点で分析を加速させる。
 早く原因究明をして、(再実験への)対策、確認、審査と進めて行く必要がある。
 ただし、故障の木解析(FTA)をやりはじめて3日経過しているが、簡単に分かるかは難しい。

・早くて再実験はいつ?
→スウェーデンの実験出来る期間が3月〜9月となっている。その後は雪でできない。
 来年、試験ウィンドウの早い時期を目指したい。

・2号機は日本に持って帰るか。
→2号機は輸送費が莫大にかかるため現地に保管を交渉中。
 もともと、風の影響などで今年2回実験出来なかった場合は来年5月で行う事も検討していた。

・制御系が凍結した可能性は
→信号などを確認しており、コマンド通り、舵角の値なども 正常に出ていたため、それはない。

・低ソニックブームを実証するのは、正常な飛行姿勢である必要はあるか。
→そのとおり。
 ミッション的にも、揚力が出ている状態で飛行している時のソニックブーム測定が必要で
 それをトライしたい。

今回取得できた波形データはどう役に立つか
→低ソニックブームで設計された機体は世の中でまだない。実験機はその特徴をもった機体。
 今回のデータでその特徴が含まれたものであれば役に立つ。
 また、ソニックブームの計測手段が数少なく、その波形測定が出来た事の実証になる。

・試験機の価格と輸送費
→実験機は1機4.5億。
 輸送費は、現時実験滞在の費用を含め1.5億円。輸送費が高めとなる。

・シミュレーションでロールが現れる結果はあったか(NVS)
→モンテカルロシミュレーションを使用している
 色々な誤差要因をパラメータを確率的に組み合わせて、3000ケースぐらい分析している。
 40秒後にロール振動が発生したものがあるかは、全部を見ることはまだ出来ていない。
 今後の分析では、パラメーターを振って調査をし、状況再現が出来る様にする所からやっていく必要がある。

・今回のデータは、コンピュータシミュレーションの熟成になるか。(NVS)
→CFDモデルは空力シミュレーション。
 今回は運動解析と制御解析が主となる。
  CFDと風洞試験をして空力モデルを用意しているが
 総点検の意味で制御、アクチュエーター、自機のたわみ、空力など見直す。

・カメラが搭載されていたが、カメラデータ取得できているか。(NVS)
→機体を回収しており、カメラはもともとモニターのつもりで、運が良ければデータ取れるものであったが、今回、亜音速で落下したしたため、カメラ部分は機体に残っており画像取得できれば、分析で使えるかも知れない。

以上です。


■静止画:


■動画:




■関連情報
・JAXA D-SEND #2 試験サイト  http://www.aero.jaxa.jp/spsite/d-send2/index.html
・NVS  低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)説明会 http://blog.nvs-live.com/?eid=106

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