【取材レポート】8月10日(土) 2013年夏 CAMUIロケット・SNS社液体燃料ロケット打上げ後会見要旨


打上げ後会見、左より 植松電機 植松努専務 カムイスペースワークス永田晴紀教授 SNS社の堀江貴文氏 牧野一憲氏

打上げ実験後会見概要
HASTIC 伊藤理事長より
SNS小型液体ロケット「すずかぜ」とカムイスペースワークス「CAMUI-500P」、ふたつとも無事打ち上がることができた。皆様にご協力を感謝したい。また3度にわたり大樹町の皆様にご協力いただき、感謝したい。技術面では北海道の将来の宇宙開発をになっていくであろう植松電機、CSWに全面的に信服してそれが実を結んだと思っている。
回収機体の公開の話もあるが、機体も大きく、力が出てきているため、技術面でも公開できない部分もあり、いろいろ配慮をして遠くから観て頂ければ。



SNS社 ファウンダー堀江氏より
大きなトラブルもなく、暫定で高度6,535m 最大速度380m/s、マッハ1.1となり、音速も超えた。6km沖合に着水。パラシュートも第1、第2とも開傘した。
機体の映像もホリエモンチャンネルにアップした。多少機体のロールがあるが、綺麗な映像なのでみてほしい。
(補足 動画はこちら→ http://www.youtube.com/watch?v=qq6Tw0nz4Yo )
機体も(着水時に)2つに割れたが、それ以外の損傷なく回収に成功した。テレメトリデータも問題なく受信出来ており、地図上にプロットして、パラシュートの着水地点割り出しができたため、捜索範囲を100m程度にしぼめて、見つけることが出来た。一部、加速度センサーのデータはとれなかったが、9割方の成功と考えられている。




カムイスペースワークス 永田先生より
11時45分に打上げ 綺麗に上がって雲に入っていったが、残念ながら機体回収ができなかった。状況としては、海面を緑に着色するシーマーカーは発見、その周辺を捜索して、フェアリングの部品を見つけた。その周辺が着水点なのは分かっており、また着水音も打ち上げ現場まで聞こえたのでほぼ時間も分かっている。高度4kmのGPSデータも1点取れているので、数値計算は出来、おおよその飛翔状況は推算できるのではないか。
推力履歴データはあり、機体形状による空気抵抗のデータで超音速時のデータは2012年のものがある。マッハ0.5付近が前回ドラックシュートを引いていた状態のためデータなく、今回の形状の似ているSNSロケットのデータをもとに解析できればと考えている。
到達高度としては、前回より超える高度(前回は7km)を見込めているのではないかと考えている。しかし、ドラックシュートの展開に関しては、次回に持ち越しとなる。

植松電機 植松専務より
実際の飛翔はロケット向けていた方向に着水しており、機体は安定して飛翔したものと考えられる。見つけてくれた漁協の皆様に感謝しています。
漁協の方から「残念だったね、がんばれ」と言われたので「頑張ります」と返答した。
機体の構造はカムイロケットとSNSのロケットでほぼ同一のものなので、パラシュートの展開を阻害したのかが明確となるので、改良していきたい。

前回は、ただ燃えるのを見まもるしかなかったが、地上システムの改良がなされ、モニタリングをしながら2機とも打上げができた。この安全性は確認出来たと思う。

カムイロケットは小さいところにパラシュートの機構を詰め込みすぎたのではと考えている。高さを狙ったので詰め込みすぎたので、がんばりすぎた。信頼性をもたすために若干ゆとりと持たせれば良かった。今後の改良点にしたい。
しばらく飛ばなかったロケットが飛んでいったので、一安心ではある。(CAMUIは1年ぶり)
ずっと待っていた方々には「とりあえず飛びました」ということを報告したい。

質疑応答
永田先生へ、パラシュートは作動したのか。

永田:着水時間を考えるとおそらくしていない。

なぜ、開かなかったのか。

永田:パラシュートの機構はかなり余裕がない搭載の仕方となっていて、安定動作のための遊びの部分がすくなかったのではないか。機体が回収できていないので、推測になってしまいます。
植松;パラシュート格納した蓋はロックをされているが、外れると空気の力で開く形となっている。高速飛行中は空気の流れが蓋を開く状態ではなかったのかもしれず、その影響もあったのではないか。
展開をスプリングで開くことも過去やったが、スプリングにパラシュートがひっかることもあり、現在はつけていない。

飛行高度や時間について

植松:着水音から、飛行経路が分かる可能性がある。これから分析となる。

機体は

植松:一部破片は見つかった。

パラシュート、前回は速く外れて、今回は開かなかったトラブルは別物か。

永田:パラシュート開発はむずかしく、2段開傘の仕組みは開発初期は早く開いてしまう心配をしていた。 前回は「開いちゃった」 今回は「開かなかった」状況。SNSさんではちゃんと開いたので、3つのデータで比較ができる。

堀江さんへ、はじめてロケットを打ち上がる姿をみての感想

堀江:まあ、良かった。 ほっとした。
何回もビデオで見ているので、イメージ通りだったが、間近で観るのは迫力があった。

堀江さんへ、ジンクスはやぶれたか

堀江:まあそれはネタですが(笑) 毎回言われていた。
先日の天気から霧が出ると思っていたが、奇跡的に出なかった。
雨も風もなかったので、最高の打上げ日和だった。

堀江さんへ、前回の教訓と改良が成功のポイントか

堀江:それはもちろんそう。
前回の打上げロケットは、人為的ミスあり、(それがなければ)打ち上がったとは思う。あれがあったこそ、地上系のシステムも安全になった。
バルブの機構も増え、液体酸素のパージラインを設けたりして手順も増え、今回追加した安全装備の追加で、逆にミスをしないか不安だった。そういう所でミスが起きやすい。

ロケット自体は変わっていないが、テレメトリは改良していてGPSやアンテナを高信頼なものにしている。地上のアンテナも高いところに設けたり、改良しておりばっちりとれていた。これより高度があがると回収は困難になってくるので、テレメトリや動画データなども無線で取得できるようにチャレンジしたい。


堀江さんへ、今後の開発のロードマップについて(NVS)

堀江:こうやって、メンバーみんなの集まった時にロードマップなどを決めていく。
・現在の500kgf級に関しては、構造を1から見直しで軽量化を行う。例えば、機体CFRPやタンクの厚みなど、安全マージンもあるが相当軽量したい。そして高度100kmを今の500kgf級で目指す。
そのために、姿勢制御を行う。エンジンをジンバル制御で動かして、ロール制御はガスジェットスラスタの開発。
制御実験は高度1000m以内の低高度で小さな機体をゆっくり打ち上げて実験を何回か行わなければならない。
・2トン程度の大型エンジンの地上燃焼試験をおこなう。大樹町の射場周辺で場所を借り工場を用意、そこで組み立て移動して、射場近くで実験をおこなう。

・また、ターボポンプなどを試験的に導入したエンジンを平行開発していきたい。
他には、極超低温用の電動バルブの開発、燃料タンクもCAMUIタンクで2段目利用は運用が難しいのでタンク開発もすすめる。
比推力をあげるために燃焼性能を上げるような、開発を行っていく。
小型ロケットでテレメトリの試験などもやる。

大樹町にも開発の現場を設けていくのか。

堀江:実験の拠点の一つをもうける。数トンクラスのエンジン試験だとなるとかなり音が出るので、過去防衛省の実験場所があるのでそこを利用出来るようにしたい。小型のものは、引き続き赤平でも行う。

以上です。

■中継アーカイブ
CAMUIロケット・SNS社液体燃料ロケット打上げ後会見
USTREAMで視聴する≫  http://www.ustream.tv/recorded/37290633
ニコニコ生放送で視聴する≫
http://live.nicovideo.jp/watch/lv148313048



■関連画像

打ち上がるSNS小型液体燃料ロケット「すずかぜ」


打ち上がるSNS小型液体燃料ロケット「すずかぜ」
雲があり、数秒で見えなくなっていった。


打ち上がるハイブリッドロケット CAMUI-500P


打ち上がるハイブリッドロケット CAMUI-500P
こちらも数秒で雲の中へ


海上回収された「すずかぜ」


■関連情報
中継時情報:NVS 【放送予定】8月9日〜10日 CAMUIロケット・SNS社液体燃料ロケット 打上げ実験中継  http://blog.nvs-live.com/?eid=137


HASTIC速報:CAMUI/SNSロケット、超音速打上げ実験終了 SNS「すずかぜ」は機体回収にも成功 http://www.hastic.jp/

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